ロトザザの『エチケット』は、カフェやバー、ラウンジなどのスペースで一回につき二人の参加者が体験する約三十分間のパフォーマンスです。観客はいません(まわりの人はパフォーマンスが行われていることにおそらく気づかないでしょう)。
各参加者はヘッドホンをつけ、聞こえてくる指示に従って、台詞を言ったり、用意されているミニチュアの小道具を操作することになります。指示を適切に行動に移すだけで成立するようにこのパフォーマンスはデザインされています。会話は『エチケット』のテーマでもあり、手段でもあります。参加者はコミュニケーションの様々な段階を、とりわけ思考を言葉に移すことの困難さをめぐって、しばしば既存の映画や演劇作品から借りた状況設定を使って演じ/経験します。また、言うべきことを準備せずに話し、相手の返答も会話が向かう方向も予測できないという状況は、気心知れた相手と一緒に参加する/演じることでかえって新鮮さを増すかもしれません。リハーサル不要で、パッケージ化されていて、ポータブルで、参加者がパフォーマーと観客に同時になることができるこの作品は、これまで英語版の他、日本語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語、ギリシア語、クロアチア語、スロベニア語などで各地で「上演」されています。日本語版は昨年東京高知で「上演」され好評を博しました。待望の再演です!